織田信長もびっくりするだろうか?【セラミックスの3Dプリンター】

へぇ★★

戦国時代は一つの茶器が一国一城に値したと言われています。
千利休や織田信長らによって「茶道は素晴らしい」、「茶器は唯一無二の資産」であるということを世に知らしめたのです。

紀元前までさかのぼると、秦の始皇帝は、死後の世界でも軍事力と皇帝の地位が永遠に守られるように、70万人以上の職人と労働者を動員し、約40年かけて6,000体以上の兵馬俑を建設しました。

現在では、セラミックスはLEDや電子部品を始め、セラミックヒーターや包丁、インプラントなどにも使われています。

このように、セラミックスは土器や陶磁器など、人類の歴史に始まり、現在ではエネルギー・エレクトロニクスや医療など様々な分野で進化し続けています

もし、織田信長が今のセラミックスを見たらびっくりするでしょうか?

今回は、セラミックスの進化のポイントについて3つまとめてみました。

高機能なセラミックス、高度な専門性

すべての物質は原子からできています。
セラミックスは、イオン結合性や共有結合性の強い非金属の無機材料の固体です。
その結合性の特徴から、硬い、強い、耐熱、化学的安定性、電気的絶縁性などの性質が生まれます。
周期表からも分かるように、○○の酸化物、窒化物、炭化物やその複合材料など組み合わせ次第で無限の可能性を秘めた材料といえます。

セラミックスの特徴を最大限引き出すため、20世紀に入ってから製造技術の飛躍的な進歩がありました。
その結果、高純度に精製された原料を使い、人工的に成分調整や微細構造の制御がなされ、様々なセラミックス製品が生み出されてきました。

近年では、LEDなどの半導体性のあるセラミックスや、超電導性セラミックスもあります。
他にも、燃料電池や強力な磁石人工骨など様々な分野でさらなる活躍が期待されています。

ところが、高機能なセラミックスを作るのは簡単ではありません。
原料を均一に混ぜる方法や、混ぜた原料を成形する方法ひびが入らないようにかつ微細構造を制御した焼き方など一つでも不十分だと製品になりません。
このようなノウハウを細分化し、高度な専門性を持った集団を作ることで、大企業中心にさらなる高機能なセラミックス製品が作られています

デジタル化がもたらすセラミックス業界の変容の兆し

電子部品などの高機能セラミックス製品が大量生産されるようになると、高度な技術と設備と投資が必要となります。
したがって、高機能セラミックス製品は大企業と熟練工にほぼ独占されています。

ところが、ものづくりのデジタル化が進むにつれて、誰もが高機能セラミックス製品を作るチャンスがあります。

ものが個人のパソコン上でデザインされ、オンライン上でシェアすることができるからです。
斬新なアイデアを思い付いたら、製造サービスサイトにファイルをアップロードして、数個だけ作ってもらうこともできるし、3Dプリンターを使って自分で作ることもできます。
大企業に頼らなくても、高機能セラミックス製品を作ることができるのです。

補足:私は大手セラミックスメーカーに就職後、ベンチャー企業に転職しました。
大手セラミックスメーカーでは、高度なセラミックス製品を作るため、私は細分化された仕事を任されていましたが、歯車の一つのようでやりがいを持てず、将来的なスキルとしても社内でしか通用しないのでは?と不安を感じていました。
そんな中、3Dプリンターやデジタル化によるものづくりの変化を期待して、最初から最後まで関われるものづくりをしたいと思い転職しました。
ものづくりの主役は、大企業でもなく、会社の上司でもなく、アイデアをもった個人へと移りつつあると思います。

セラミックスの未来~3Dプリンターの活用

セラミックスは資源が豊富で環境にやさしい。未来のIT、医療、低炭素社会にも貢献。

代表的な高機能セラミックスの、アルミナ、シリカ、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミなどは地殻を構成している石や砂を原料としており、資源の豊富な、クラーク数の大きな元素からできています。
土砂から高機能なセラミックス製品が作られれば、日本でも資源が豊富です。

IT分野では、情報量が増えるにつれて電子だけでなく光子を扱うことになります。
光子を安定的に通す材料として、セラミックス材料がますます使われるようになります。

医療分野では、生体親和性の高いセラミックスを使った人工骨などの再生医療が期待されます。

また、温暖化や石油エネルギーの枯渇問題など、低炭素社会への貢献も期待されます。
光触媒を使うことで、太陽光と水から水素を発生させることも可能です。

3Dプリンターで今までできなかった構造を作製可能に。宇宙開発でも活躍。

従来の技術では作製困難な格子構造複雑形状部材が作製可能になります。
これによって軽量で高強度な部材や放熱性up、特定の光のみ透過などの高機能なセラミックスを作ることができます。
医療分野では、生体親和性の高いセラミックスを使った人工骨などの再生医療が期待されます。
宇宙開発の分野では、月面基地を月の砂と3Dプリンターで作ることができます。
また、宇宙環境や無重力空間を利用することで新たな高機能セラミックスを作ることも期待できます。

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回は、セラミックスの進化のポイントについてまとめてみました。

織田信長様、セラミックスの3Dプリンターを使って世の中をどのように変えますでしょうか?

参考文献:
・クリス・アンダーソン「MAKERS」, NHK出版
・日本セラミックス協会「トコトンやさしいセラミックスの本」, 日刊工業新聞社
・平成26年2月「新ものづくり研究会 報告書」, 経済産業省
・「高付加価値セラミックス造形技術の開発」, http://hcmt.website/index.html

コメント

タイトルとURLをコピーしました